
マンション(共同住宅)は、専有部分は各住戸の管理となりますが、エントランス・廊下・エレベーターホールなどの共用部には管理組合の責任で消火器の設置義務が生じます。 「1階に置けば足りると思っていたら、消防点検で指摘された」というお声もよくいただきます。このページでは、共用部の設置基準と、階数がある建物ならではの必要本数の考え方をご紹介します。
共同住宅は消防法施行令別表第一(5)項ロに区分され、延べ面積150㎡以上で消火器具の設置義務が生じます。ワンルームマンションでも複数階・複数戸になれば 150㎡を超えることが多いため、実務上は多くの分譲・賃貸マンションが対象になります。設置義務の対象は共用部で、各住戸内への設置は求められないのが一般的です。
| 区分 | (5)項ロ 共同住宅 |
|---|---|
| 設置義務が生じる延べ面積 | 150㎡以上 |
| 算定基準面積(非耐火) | 100㎡ ごとに1単位 |
| 算定基準面積(耐火構造+難燃内装) | 200㎡ ごとに1単位(=本数はおおむね半分) |
| 備考 | 共用部の用途区分は要確認(管理事務室・集会室等が別区分になる場合あり) |
延べ面積が150㎡未満でも、地階・無窓階・3階以上の階で床面積が50㎡以上ある場合は、その階に消火器の設置義務が生じます。小規模なマンション・アパートでも該当することがありますので、ご注意ください。
共同住宅((5)項ロ)の算定基準面積は100㎡(耐火構造+難燃内装なら200㎡)です。算定基準面積は用途ごとに定められており、他の用途とは異なる場合があります。また共同住宅は階数のある建物がほとんどのため、 次に説明する歩行距離の要件が「階ごと」にかかってくる点が、この業種特有のポイントです。
延べ面積を割り算すれば本数が出ると思われがちですが、実際にはそれだけでは足りません。次の3つを確認して、いちばん多い数を採用することになります。
延べ面積 ÷ 算定基準面積で求めます。マンションの算定基準面積は100㎡で、耐火構造+難燃内装なら200㎡になり、必要な数は半分で済みます。
各階のあらゆる場所から消火器までの歩行距離が20m以内であることが必要です。この条件は階ごとに満たす必要があるため、1階に多めに置いても上層階の要件は満たせません。
受変電設備のある電気室・機械室などでは、床面積100㎡以下ごとに、電気火災に適応する消火器が1本以上必要になります。
マンションは低層のワンフロア建物とは異なり、各階に共用廊下・エレベーターホールがある構造です。歩行距離20m以内の要件は階ごとに独立してかかるため、階数がそのまま最低本数に直結します。
1か所に配置すれば建物全体をカバーできる
見通しがよければ、能力単位で求めた本数でも20m以内に収まります
階をまたいだ歩行距離は通算できず、各階ごとに独立してカバーする必要がある
階数がそのまま最低本数に直結するため、同じ延べ面積でも本数が増えます
主要構造部は耐火構造・内装難燃材料仕上げ、各階の共用廊下にエレベーターホールがある10階建て共同住宅という想定で、実際に計算してみます。
| 延べ面積 | 必要能力単位 | 10型ABC粉末 | 耐火構造+難燃内装の場合 |
|---|---|---|---|
| 500㎡ | 5単位 | 2本 | 1本 |
| 1,000㎡ | 10単位 | 4本 | 2本 |
| 1,500㎡ | 15単位 | 5本 | 3本 |
| 2,000㎡ | 20単位 | 7本 | 4本 |
| 3,000㎡ | 30単位 | 10本 | 5本 |
| 5,000㎡ | 50単位 | 17本 | 9本 |
※ この表は能力単位の条件を満たす最低ラインです。マンションは階数がある建物がほとんどのため、実際の本数は階数の要件によってこれより増えます。最終的な設置本数は所轄の消防署の指導に従ってください。
必要本数は延べ面積だけでなく階数によって大きく変わるため、面積だけでは決まりません。延べ面積・階数・耐火性能をお伺いできれば、こちらで概算の本数をご提案します。 図面がなくても、階数と各階のおおよその共用部の広さが分かればお答えできますので、気軽にご相談ください。
本数を相談する・見積りを依頼するマンションの共用部は紙類中心のA火災がほとんどですが、電気室・機械室のC火災や、エントランスの意匠性への配慮など、共同住宅ならではの視点もあります。
共用廊下・エントランスの掲示板や郵便受け周りの紙類など、A火災が中心です。受変電設備のある電気室・機械室では、電気火災(C火災)への対応も必要です。判断に迷う場合は、いちばん守備範囲の広いABC粉末を選んでおけば間違いがありません。
各階の共用廊下・エレベーターホールが基本の設置場所です。駐輪場や駐車場など屋外・半屋外の共用部に置く場合は、雨風から守る消火器ボックスの活用もご検討ください。
エントランスなど見栄えを重視する共用部には、内装の意匠性を損なわない消火器ボックス入りの消火器がよく選ばれます。粉末消火器そのものは共用部であれば大きな問題になりにくいですが、置き方で印象は大きく変わります。

共用廊下には軽量な10型のABC粉末消火器が中心に選ばれています。メーカーをお選びになりたい場合や、設置台とあわせて揃えたい場合の選択肢もご用意しています。
普通・油・電気火災に対応する、総質量約5.0kgのABC粉末蓄圧式10型です。設計標準使用期間は10年で、共同住宅(マンション・アパート)にも使用されています。
商品ページを見る ›
ABC粉末蓄圧式10型のPEP-10N(総質量約4.8kg)に、日研製作所の消火器設置台を組み合わせたセットです。消火器と設置台をまとめて手配できるため、複数の階・棟への設置や更新にも便利です。
商品ページを見る ›消火器そのもの以外に、設置台や格納箱、設置場所を示す表示板が必要になることがあります。また、古い消火器を処分される場合はリサイクルシールが必要です。当店の新品にはあらかじめ付属していますので、あわせて消火器のリサイクルもご覧ください。
共用部の消火器をまとめて入れ替えたい場合は、新品への交換作業から既設品の廃棄処分まで、ワンストップで承る交換設置サービスをご利用いただけます。耐用年数を迎えた消火器の更新にもご活用ください。
| 種類 | 料金(1本あたりの目安) |
|---|---|
| 消火器(粉末蓄圧式10型) | 5,000円 |
| 消防ホース(40A×15m×0.7MPa) | 8,500円 |
上記の料金には、商品代金、交換作業費、廃棄処分費、交通費などの諸経費を含みます。20本以上のご依頼の場合の目安で、20本に満たない場合は1本あたりの金額が割高になります。
対応エリアは当社(大阪市東住吉区)から50km圏内が基準です。圏外の場合は割増となりますので、ご相談ください。メーカー・機種は当社で検討したものになり、機種をご指定の場合は差額を加減して計算します。10型以外の消火器や、強化液消火器・連結送水管ホースなどの対象外品もご相談ください(状況によってはお受けできない場合もあります)。
消火器・消防ホースを20本以上まとめて交換する場合は特別価格になります。20本に満たない場合や遠方の場合は個別にお見積りしますので、ご相談ください。
交換設置サービスの詳細を見るこれまでにご対応した中で、多かったご相談をご紹介します。似たような状況でしたら、そのままご相談いただければ対応できます。
管理組合の総会での承認や会計処理のために、正式な見積書・請求書の発行をご希望される管理組合様が多くいらっしゃいます。
足場の設置など大規模修繕工事のタイミングにあわせて、古い消火器をまとめて入れ替えるご相談をいただくことがあります。
複数の棟からなる団地形式のマンション様から多くいただくご相談です。棟ごとにお届け先を分けてのご注文にも対応しています。
設置から年数が経った消火器がまとまって残っているケースもよくあります。交換設置サービスなら、新品への交換と古い消火器の廃棄処分を1回のやり取りで終えられます。
いいえ。設置義務の対象は共用部(共用廊下・エントランス・エレベーターホール等)で、各住戸内の専有部分は対象外です。ただし、任意で住戸内に備えられる消火器もご用意できます。
管理組合様向けにお見積りを発行しています。お支払い方法についてはお問い合わせからご相談ください。
はい。交換設置サービスで、新品への交換作業から既設品の廃棄処分まで承ります。当社(大阪市東住吉区)から50km圏内が基準で、20本以上のご依頼で特別価格になります。詳しくは交換設置サービスのページをご覧ください。
ご対応できます。交換設置サービスなら、新品への交換とあわせて既設品の廃棄処分も承ります。ご自身で処分される場合の方法は消火器のリサイクルのページで詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。
可能です。お届け先ごとに商品代金が税込33,000円以上の場合、そのお届け先は送料無料になります(沖縄・離島を除く)。
消防用設備等は、法令で6か月ごとの機器点検と1年ごとの総合点検が義務付けられており、その結果は3年に1回、消防署へ報告する必要があります。管理会社様や管理員の方による定期点検にあわせたご案内も可能です。
※本ページの内容は消防法施行令第10条・施行規則第6条等に基づく一般的な整理です。実際の設置基準は建物の構造・用途・所轄消防署の判断により異なります。正式な本数・型式の決定は、有資格者による確認または所轄消防署への相談のうえご判断ください。