消火器のABC・能力単位とは?交換注文前に確認したいラベルの見方

消火器のABC・能力単位とは?交換注文前に読むラベルの見方

消火器のラベルには、型番だけでなく「A-3・B-7・C」のような表示があります。

交換用の消火器を探すときは、「10型」という呼び方と一緒に、この能力単位の表示も確認しましょう。見た目の大きさが似ていても、対応する火災や消火能力まで同じとは限りません。

この記事では、消火器のラベルに表示されているABCの意味や能力単位の見方、交換注文前に確認したいポイントを解説します。

ABCは対応する火災の区分

消火器に表示されている「A・B・C」は、消火器が対応する火災の種類を表しています。

それぞれのアルファベットが示す火災は、次のとおりです。

A:普通火災

木材・紙・繊維などが燃える火災です。建物や家具、紙類などの火災が該当します。

B:油火災

石油類やその他の油類などが燃える火災です。厨房や機械設備など、油を扱う場所では注意が必要です。

C:電気火災

電気設備や電気機器などが関係する火災です。電気設備のある場所では、適応する消火器を確認しましょう。

例えば、ラベルに「A・B・C」と表示されている消火器は、普通火災・油火災・電気火災に対応することを示しています。

「ABC」と表示されていても、すべての火災に無条件で使用できるという意味ではありません。火災の状況や製品ごとの使用上の注意を確認し、取扱説明書に従って使用してください。

住宅用消火器は絵表示も確認

住宅用消火器では、対応する火災の種類が文字ではなく絵表示で示されている製品もあります。

表示の内容は製品によって異なるため、購入時や使用前には本体のラベルと取扱説明書を確認しましょう。

能力単位と「10型」の数字は別のもの

消火器のラベルには「A-3・B-7・C」のような能力単位が表示されています。

この数字は、消火器の消火能力を示すための表示です。消火器の型式や薬剤量、容器の重さをそのまま表しているわけではありません。

A・Bの数字は消火能力を示す単位

「A-3」であれば普通火災に対する能力単位が3、「B-7」であれば油火災に対する能力単位が7であることを示しています。

数字が大きいほど、その火災区分に対する消火能力が高いことを示す目安になります。

CにはA・Bのような数字が付かない

能力単位の表示では、A火災・B火災には数字が付いていますが、C火災は「C」と表示されます。

そのため、「A-3・B-7・C」という表示を見たとき、Cにも数字があるはずだと考える必要はありません。

「10型」は薬剤量10kgという意味ではない

消火器には「10型」「20型」などの呼び方がありますが、型の数字を本体の総質量や薬剤量と同じ意味で捉えることはできません。

例えば、10型の消火器でも、薬剤量や総質量は製品によって異なります。

「10型だから薬剤量10kg」「10型だから10平方メートルに1本」といった読み替えはできません。型の呼び方だけでなく、能力単位や製品仕様を確認しましょう。

消火器のラベルに記載されている「能力単位 A-3・B-7・C」の表示例

消火器ラベルの見方

交換用の消火器を注文するときは、型番だけでなく、ラベルに記載されている複数の情報を確認することが大切です。

  • メーカー名 製造・販売メーカーを確認します。
  • 型番・品番 製品を特定するための番号です。似た名称の製品と取り違えないように確認します。
  • 能力単位 A・B・Cの表示と、それぞれの数字を確認します。
  • 薬剤量・総質量 薬剤の量と、消火器本体を含めた総質量は別の項目です。
  • 製造年・使用期限 製造年や設計標準使用期間など、製品に記載された情報を確認します。
  • 型式番号 消火器の型式を確認するための番号です。交換品の確認や照合に役立ちます。

これらの情報を確認しておくと、交換用の消火器を探すときに、現在設置されている製品との違いを把握しやすくなります。

ヤマトプロテック YA-10NXの表示例

実際の製品を例に、能力単位と薬剤量などの違いを確認してみましょう。

ヤマトプロテックの粉末(ABC)蓄圧式消火器「YA-10NX」のメーカー公表仕様は、次のとおりです。

ヤマトプロテック YA-10NX

能力単位:A-3・B-7・C

薬剤量:3.0kg

総質量:約5.08kg

全高:約49cm

全幅:約18cm

確認する項目 YA-10NXの公表仕様 意味
型番 YA-10NX 製品を特定する番号
能力単位 A-3・B-7・C 対応する火災区分と消火能力
薬剤量 3.0kg 消火薬剤の量
総質量 約5.08kg 消火器本体を含めた質量
全高 約49cm 本体の高さ
全幅 約18cm 本体の幅

このように、YA-10NXは10型と呼ばれる製品ですが、薬剤量は3.0kg、総質量は約5.08kgです。

また、能力単位はA-3・B-7・Cと表示されています。

同じ10型という呼び方でも、製品によって仕様が異なる場合があります。交換品を選ぶ際は、型の数字だけで判断せず、メーカーの製品仕様を確認してください。

交換注文前に記録しておきたい表示

交換用の消火器を注文する前に、現在設置されている消火器のラベルを確認しておきましょう。

文字が小さかったり、似た型番があったりするため、スマートフォンなどで写真を撮っておくと、注文時の確認に役立ちます。

ラベルは一枚ずつ撮影する

次の項目が読めるように撮影しておくと、製品の特定や仕様の照合がしやすくなります。

  • メーカー名
  • 型番・品番
  • 能力単位
  • 薬剤量
  • 製造年・使用期限
  • 型式番号

点検報告書や設備一覧とも照合する

建物の消防用設備等点検結果報告書や、消火器の設備一覧などがある場合は、現物のラベルと照合しましょう。

書類に記載された情報と実際に設置されている消火器が一致しているか確認することで、交換する製品の取り違えを減らせます。

種類や能力を変更する場合は事前確認を

交換を機に、消火器の種類や能力を変更したい場合は、現在の製品と同じABC表示であれば問題ない、というわけではありません。

建物の用途や設置条件、必要な能力、設置位置、収納スペースなどを確認する必要があります。

判断に迷う場合は、消防設備点検業者や関係する専門業者などに相談してから発注しましょう。

消火器の交換では、現在設置されている製品のラベルを確認することが第一歩です。写真や点検報告書を用意しておくと、販売店や点検業者への相談もスムーズになります。

よくある質問

Q 同じABC表示の消火器なら、どれでも交換できますか?

A

ABCへの適応だけで交換できるかどうかを判断することはできません。

必要な能力、設置位置、収納スペース、使用環境なども確認する必要があります。現在設置されている消火器のラベルや点検報告書と、交換候補の製品仕様を照合しましょう。

Q 10型の消火器は、薬剤量が10kgという意味ですか?

A

いいえ。10型という呼び方は、薬剤量10kgや総質量10kgという意味ではありません。

例えば、ヤマトプロテックのYA-10NXは10型の製品ですが、薬剤量は3.0kg、総質量は約5.08kgです。製品ごとの仕様を確認してください。

Q 能力単位のCに数字が付いていないのはなぜですか?

A

Cは電気火災への適応を示す表示です。A火災・B火災のような数字付きの能力単位とは異なり、Cには数字が付かない形式で表示されます。

Q 交換注文の際に、どの部分を撮影すればよいですか?

A

メーカー名、型番、能力単位、薬剤量、製造年や使用期限、型式番号などが読めるように撮影してください。

ラベル全体の写真に加え、文字が小さい部分は拡大して撮影しておくと、製品の確認がしやすくなります。

業務用消火器の交換・購入について

火消し屋.Shopでは、業務用消火器を取り扱っています。

交換用の消火器をお探しの際は、現在設置されている消火器のラベルを確認し、型番や能力単位などを手元に用意して商品を比較してみてください。

交換する製品の選び方や仕様について不明な点がある場合は、お問い合わせからご相談いただけます。

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参考資料

記事内の火災区分や製品仕様については、以下の公式情報をご確認ください。

※製品仕様はメーカーの公表情報をもとに記載しています。製品の仕様や販売状況は変更される場合があるため、購入前にメーカーの最新情報をご確認ください。

まとめ

消火器の交換用を探すときは、「10型」などの型の呼び方だけでなく、ラベルに記載されているABC表示や能力単位も確認することが大切です。

  • Aは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災を表す
  • A・Bの数字は消火能力を示す単位
  • CにはA・Bのような数字付きの能力表示はない
  • 10型という呼び方は薬剤量10kgという意味ではない
  • 交換前にはメーカー名・型番・能力単位・製造年などを確認する

交換注文の前に現在の消火器のラベルを撮影し、製品仕様や点検報告書と照合しておくと、取り違えを防ぎやすくなります。

種類や能力を変更する場合は、建物の用途や設置条件に適合するか、専門業者などに確認してから発注しましょう。

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